【意外な事実】焼肉・肉料理41種類の特徴と料理写真の味旅物語

肉料理

【肉料理の意外な事実】

日本の焼肉やすき焼きは、現在、世界的に人気のある肉料理として知られています。しかし、これらの肉料理はかつて1200年間にわたって禁じられていました。また、これらの料理で使用される高級牛肉である和牛は、特別なステータスを持ち、たった4種類の牛だけがその名を名乗ることができます。

肉食禁止が1200年間続いた日本

日本における肉食の歴史は、仏教の影響が強く、長い間肉食が禁止されていました。この背景には、仏教教義の中で殺生を戒める考えがあり、675年に天武天皇が牛、馬、犬、猿、鶏の肉食を禁じる令を発布したことが始まりです。この禁止令は約1200年間続き、明治4年(1871年)に解禁されるまで、日本では肉食を忌避する文化が根強く残りました。肉食解禁後も、日本の食文化に肉料理が浸透するには時間がかかりました。明治時代に入り、西洋からの影響で洋食が普及し始め、家庭での肉料理が徐々に増えていきました。大正時代になると、とんかつやカレー、コロッケといった現在でも親しまれる肉料理が登場しました。戦後、アメリカの影響を受けて肉食文化がさらに急速に広まり、現在の日本では焼肉やすき焼きなど、日本独自の肉料理が世界的に注目を集めています。

日本で育った牛は和牛?

和牛というと、日本で育った牛を指すと考えられがちですが、これは誤解です。日本で育った牛は「国産牛」であり、和牛はその中の4種類の特定品種を指します。国産牛は、乳牛用のホルスタイン種や、和牛と乳牛の交雑種を含むため、通常は和牛よりも手頃な価格で提供されます。
なお、和牛は次の4種類に限られます。

黒毛和種

日本を代表する肉用品種で、細かなサシが特徴です。元々体格が良くなかった但馬牛が選抜・育種され、現在ではサシが豊富に入った大きな体躯の黒毛和種が主流です。黒毛和種は和牛の中の約90%を占めます。有名な銘柄牛には松阪牛、米沢牛、但馬牛、近江牛、前沢牛などがあります。

褐毛和種

朝鮮の品種を基に外国の肉用種と掛け合わせて成立した品種で、熊本県の阿蘇や高知県で放牧されることが多く、放牧に適しています。熊本と高知の褐毛和種は系統が異なりますが、分類上は同じ褐毛和種とされています。くまもとあか牛、土佐あかうし、すだち牛などの銘柄牛が有名です。

短角和種

岩手県の北部や北海道で育てられる和牛品種で、最近は赤身肉の美味しさで知られるようになっています。この品種は農耕や運搬に使われていた南部牛に、外来の肉用種ショートホーンを掛け合わせて作られました。いわて短角和牛、えりも短角牛などの銘柄牛があります。

無角和種

山口県で主に飼育されている和牛品種で、黒毛和種にアバディーンアンガス種を掛け合わせた結果、角がない特徴を持っています。しかし、非常に頭数が少なく、2012年の時点で約200頭しかいない希少品種です。特定の銘柄がなく、市場では「無角和牛肉」として流通しています。


【焼肉の味旅物語】

焼き肉は、肉や野菜を鉄網の上で炭火やガスで焼く料理です。焼いた肉は、醤油、酒、砂糖、果物、にんにく、ゴマなどで作ったタレにつけて食べます。また、塩やレモン、胡椒などを肉に振りかけることもあります。肉については、主に牛肉が使用されますが、豚肉や鶏肉も同様に人気です。肉の部位によって味や食感が大きく異なるため、いくつかの代表的な部位を下記に紹介します。

ロース肉(Loin)

ロース肉は牛の背中部分、肩から腰にかけての範囲の肉です。脂身の甘みと柔らかさが特徴で、人気のある部位となっています。

ヒレ肉(Tenderloin)

ヒレ肉は骨盤の内側に位置する、赤身が多い肉です。筋肉としての運動が少ないため非常に柔らかく、脂肪が少ないために食感も独特です。一頭から得られる量が少ないため、最高級部位とされます。

カルビ肉(Boneless Short Rib)

カルビ肉はあばら骨周辺の肉です。肉質は固めですが、脂肪が多いため全体的には柔らかく、美味しい部位として好まれます。日本では、あばら骨は取り除かれて提供されます。

ハラミ肉(Outside Skirt)

ハラミ肉は横隔膜に位置する肉で、見た目も食感も赤身肉と似ていますが、内臓肉の一種に分類されます。加熱しても硬くなりにくいのが特徴で、柔らかい食感が楽しめます。

サーロイン(Sirloin)

サーロインはロース肉の一部で、ヒレ肉の隣に位置します。適度な脂肪と肉の旨味が特徴で、焼き肉だけでなく、ステーキやすき焼きなどにも使用されます。

牛タン(Gyutan)

牛タンは牛の舌部分を指し、東北地方の仙台市の名物料理として知られています。脂肪は少ないですが、独特の食感と味わいが特徴で、焼き肉以外にもステーキとして提供されることもあります。

レバー(Liver)

レバーは肝臓のことを指します。ビタミンAや鉄分が豊富で、栄養価が高い部位です。以前は生の状態で焼き肉店で提供されていましたが、現在では法律により禁止されています。

ホルモン(Variety Meat)

ホルモンは内臓肉の総称で、名前は大阪弁で「捨てるもの」を意味する「Horumon」から来ています。大腸や小腸などが焼き肉として人気で、独特の食感と風味を楽しむことができます。


【焼き鳥の味旅物語】

焼き鳥は、鶏肉を一口大に切り、串に刺してガスや炭火で直接焼いた肉料理です。手軽さと美味しさから、居酒屋やお祭りの屋台などで人気のメニューとなっています。醤油、みりん、砂糖などで作った甘辛いタレをつけて食べるのが一般的ですが、塩だけで味付けをし、鶏肉本来の風味を楽しむスタイルもあります。山椒、唐辛子、胡椒などのスパイスが用いられることもあります。部位によって味わいは異なりますので、いくつかの代表的な焼き鳥を以下に紹介します。

モモ焼き

モモ肉や胸肉を用いた一般的な焼き鳥です。醤油、みりん、砂糖などで甘辛いタレをつけて焼くのが普通ですが、塩だけで味付けし、肉本来の味を楽しむスタイルもあります。

砂ぎも

砂ぎもは鶏の消化器の一部で、厚い筋肉で形成された袋状の臓器です。これは食べ物を砕く役割を持ちます。脂肪が少なく、歯ごたえがある食感が特徴です。

レバー

レバーは鶏の肝臓部分で、ビタミンAや鉄分が豊富な栄養価の高い部位です。独特の柔らかい食感が楽しめます。

ハツ

ハツは鶏の心臓部分で、ビタミンAが豊富で、適度な脂肪も含まれています。筋肉質で、内臓臭さが少ないため、食べやすい部位となっています。

皮は鶏の首周辺の皮を串に刺して焼いたものです。主に脂肪からなるため、カロリーは高めですが、コラーゲンが豊富で、柔らかい食感が特徴です。

ネギマ

ネギマは鶏のモモ肉と葱を交互に串に刺して焼いたものです。淡白なモモ肉と葱の食感が相性良く、豊かな味わいを楽しむことができます。


【肉丼の味旅物語】

ご飯の上に調理した肉をトッピングした食事スタイルは”丼(Donburi)”と呼ばれ、大手の牛丼チェーン店では多種多様なメニューが提供されています。その手軽さと低価格、そして満腹感が得られることから、肉をトッピングした丼は幅広い人気があります。

牛丼

牛丼とは、薄切りの牛肉と玉ねぎを醤油ベースの甘辛いタレで煮込み、ご飯の上に盛り付けたものです。1899年、大手牛丼チェーン店の”吉野家”の創業者、松田栄吉によって考案されたとされています。1973年以降、吉野家の全国展開に伴って牛丼の人気が拡大し、庶民のファーストフードとして定着しました。”吉野家”だけでなく、”すき家”や”松屋”といった他の大手チェーン店も、それぞれ独特の味わいを持つ牛丼を提供しています。

焼き肉丼

焼き肉丼は、ご飯の上に焼き肉をトッピングしたものを指します。このメニューは、スーパーマーケットやコンビニセンスストアで販売されている弁当や牛丼の大手チェーン店で提供されています。

かつ丼

かつ丼は、豚肉を薄切りにし、それに小麦粉、溶き卵、パン粉をまとわせて揚げた”とんかつ”を溶き卵と共にご飯の上に盛り付けた丼です。一般的には、とんかつにはウスターソースをかけて食べますが、中部地方の愛知県の名古屋地域では、味噌をとんかつにかけて食べる風習があります。

豚丼

豚丼は、1933年に北海道の帯広市で発祥した地元の料理です。豚肉を砂糖と醤油で甘辛く味付けして焼き、ご飯の上に盛り付けて食べます。一方、全国的に提供されている大手牛丼チェーン店の豚丼は、薄切りの豚肉とタマネギなどを醤油、砂糖、みりん、日本酒で煮込んで盛り付けたもので、北海道の伝統的な豚丼とは異なるメニューです。

親子丼

親子丼は、鶏肉と卵を醤油、砂糖、みりんなどで味付けし煮たものをご飯に盛り付けたものです。その名の”親子”は、鶏(親)と卵(子)を一緒に使用することから来ています。

焼き鳥丼

焼き鳥丼は、鶏肉を一口大に切ったものを串に刺し、直火で焼き、塩や醤油、みりん、砂糖、酒などで味付けしたものをご飯に盛り付けたものです。このメニューは、スーパーマーケットやコンビニセンスストアで販売されている弁当や牛丼の大手チェーン店で提供されています。