【海鮮料理の意外な事実】
世界的に有名な刺身は、実は日本が発祥ではないこと、日本人にとって最高級の食材が実際には外国人には嫌われていることなど、文化的な背景から深掘りすると、意外な事実が浮かび上がります。
刺身の発祥は日本ではない
刺身の起源は中国の「魚膾」(ギョカイ)という古代料理にあるとされています。これは魚を細かく切って生で食べるものでした。この料理は王侯将軍の珍味から始まり、徐々に庶民の間にも広まりました。また、唐の末期にはたれの調理法も発展しました。日本に伝わった際、「刺身」という名で呼ばれるようになり、日本独自の発展を遂げました。新鮮な魚介類が豊富な日本では、刺身は多様な食べ方や味わい方で広まり、代表的な日本料理として定着しました。日本の刺身は単なる料理以上の文化的要素を含み、日常の食事から特別な機会まで幅広く楽しまれています。
なぜ、シラスは外国人に嫌われるのか?
日本の高級ウニやイクラは、外国人には敬遠されることが多いです。その主な理由として、キャビア以外の魚卵を食べ慣れていないことや、ウニ特有の海藻のような臭いが受け入れられないことが挙げられます。また、宗教上の理由から、イスラム教徒やユダヤ教徒はウナギ、イカ、タコ、エビ、貝類を食べることができません。意外かもしれませんが、外国人の中には、シラス(カタクチイワシの稚魚)を敬遠する人が多いようです。その理由は、たくさんの小さな魚の目が自分を見ているように感じて、怖いと思うからだと言われています。
【刺身料理の味旅物語】
刺身とは、魚、海老、蟹、イカ、貝などを細かく切り分けて加熱せずに食べる、代表的な日本料理です。馬肉や鶏肉といった魚介以外の刺身も地域によっては食べられています。醤油に軽く浸してわさびなどの薬味と共に食べるのが一般的な食べ方です。
マグロ
マグロは刺身を象徴する魚で、その人気は高いです。大型のマグロを調理する様子を披露するイベントなどもよく行われます。
鯛
鯛はお祝い事にふさわしい、縁起のいい魚とされています。淡白な味わいの白身魚で、特に年配の方々からの人気が高いです。
河豚
河豚は強い毒を持つ魚で、調理には特別な免許が必要です。しかし、食べられる部分は極めて美味とされています。河豚の身を薄く切り、お皿の外側から円を描くように盛りつけたものが特徴的です。
伊勢海老
伊勢海老は日本沿岸に生息する大型の海老です。1匹丸ごと刺身にして食べる”伊勢海老の姿造り”は、見た目も美しく高級料理とされています。
蟹
蟹は鮮度が落ちやすく、刺身として食べる機会は比較的貴重です。甘みがある美味しい味わいが特徴です。
烏賊
烏賊の刺身も人気があります。特に北海道では、1匹丸ごと刺身にして食べる”烏賊の姿造り”が名物とされています。
栄螺
栄螺の刺身は巻貝の中でも特に代表的なものです。多くの突起を持つ貝殻も独特で、写真に撮ると映えます。
【海鮮丼の味旅物語】
大きな椀に盛られた白飯の上に具材を載せて食べる丼は、新鮮な魚介を酢飯にのせて食べる海鮮丼や、焼いたり煮たりした魚介を味付けして白飯にのせて食べるスタイルがあります。このような丼には、手軽な弁当から高級な魚介を使用したものまであり、寿司とは異なる魅力を持っています。
海鮮丼
歴史は浅く、1945年以降に北海道や東北地方で食べられるようになった料理です。これらの地域は新鮮な魚介が手に入りやすいため、そのような背景から生まれたと言われています。その後、様々な海鮮丼が生まれ、寿司と並ぶジャンルとして定着しました。
うに丼
新鮮なウニの卵巣や精巣を取り出して生のまま白飯に載せた丼です。その価格は高めで、高級な海鮮丼の一つとされています。
イクラ丼
イクラ丼は、鮭やサーモンの卵巣を醤油で漬け込んでから白飯にのせた丼です。濃厚な魚卵の風味を楽しむことができます。見た目も鮮やかで美しい丼です。
鮪丼
人気の高い刺身である鮪を白飯に載せた丼で海鮮丼の定番メニューです。脂の少ない赤身の部位は安く脂の多い腹部の”トロ”は価格が高くなります。
ねぎとろ丼
ネギトロは、鮪の解体時に剥き出しになった部分を指します。価格も手頃で、鮪と同様の風味が楽しめることから人気の丼です。また、他の魚介と一緒に海鮮丼として提供されることもあります。
うな丼
うな丼は、ウナギに醤油と味醂をベースにした甘辛いタレをつけて焼き、白飯に載せて食べます。スパイスとして山椒などが振りかけられます。日本では、精力をつけるとされる料理であり、特に夏に食べる機会が多いです。価格は高く、高級料理として扱われています。
穴子丼
穴子丼は、穴子に甘辛いタレをつけて白飯に載せて食べる丼です。穴子はウナギに形状は似ていますが、海に生息し、脂が少なく淡白な味わいです。ウナギの99%が養殖されているのに対し、穴子はまだ天然ものが大半を占めています。価格については、ウナギよりも手頃です。
深川丼
深川丼は、アサリなどの二枚貝とネギなどを白米と一緒に炊き込んだ丼です。昔の東京・深川地区では、アサリなどの貝を採る漁師が多く、その賄い料理が起源とされています。駅弁などでも販売されることがあります。