【寿司の意外な事実】
寿司は紀元前4世紀に東南アジアで誕生しました。初期の寿司は保存食として、酢で味付けされた川魚が米の上に載せられたものでした。この料理法は奈良時代に中国を経由して日本に伝わり、稲作の普及と共に広まりました。日本を代表する料理である寿司が、実は日本発祥ではないと聞くと、多くの人が驚くかもしれません。
寿司が全国に普及した原因は関東大震災
江戸時代、寿司は「握り寿司」や「江戸前寿司」として、東京を中心に発展しました。全国に広まるきっかけは、1923年の関東大震災でした。当時、職を失った東京の寿司職人が各地に寿司屋を開いたため、寿司は全国に広まりました。
江戸時代は捨てられていた大トロ
世界で獲れる鮪の20%は日本で消費されています。高級な寿司店で使われる高価なクロマグロから、回転寿司で使われる安価なビンチョウマグロまで、多種多様なマグロが食材として流通しています。捕獲されたマグロはすぐに冷凍された後、解凍され寿司用に切り分けられます。冷凍技術がなかった時代には、マグロの身を醤油漬けにして保存する方法が生まれ、それを酢飯にのせて食べ始めたのが江戸前の握り寿司の発祥とされています。
大トロ
脂肪の多い腹部の部分を”大トロ”と呼び、マグロの中で最も高価な部位となっています。冷凍技術のなかった時代は、この部位は腐りやすく、捨てられることもあったといいます。脂がたっぷりと乗った大トロは、マグロの腹部から少量しか取れないため、その希少性も価値を高めています。とろけるような食感と深い味わいは、他の魚とは一線を画します。特に、「黒マグロ」の大トロは最上級とされています。
中トロ
大トロに次ぐ高価なマグロの部位です。尾側の腹部から背中にかけての部分から取れるため、大トロよりも多く取れるため、手頃な価格で食べることができます。中トロは、大トロの脂が強すぎると感じる方にとっておすすめです。
赤身
主に背部に存在し、マグロ本来の旨味を味わうことができます。取れる量も多く、大トロや中トロよりも安価になっています。脂質も少ないため、ヘルシーな食材です。
ねぎとろ
マグロの中骨についている部位や皮についた部位を削り取って集めたものを”ねぎとろ”といいます。マグロの濃厚な旨味を味わうことができ、人気の部位です。価格も手頃で、その美味しさから寿司弁当や回転寿司では人気のメニューとなっています。
頬肉・カマ・脳天
あまり流通していないため食べる機会は少ない部位ですが、頭部にも食べられる部位があります。マグロの頬肉は弾力があり、牛肉に似た食感があるため、ステーキとして食べられます。鰓の近くの”カマ”や頭頂部の”脳天”などは、独特の食感を持つ部位です。
【価格帯別の寿司の味旅物語】
寿司は提供スタイルによって価格が大きく変わります。寿司専門店、回転寿司、寿司弁当など、さまざまなタイプの寿司があり、予算や好みに合わせて選ぶことができます。
高価格帯:寿司専門店
予算:3000円〜30000円
職人がカウンターに立ち、注文に応じて寿司を提供するスタイルです。価格は回転寿司よりかなり高くなりますが、本物の寿司を堪能することができます。高級店などでは一人3万円以上することもあります。
中価格帯:回転寿司
予算:1000円〜2000円
皿に乗せた寿司が回転レーンを通ってくる日本独自のスタイルです。ディスプレイで注文し、食べた皿の数に応じて精算をします。手ごろな価格で多種多様な寿司を楽しむことができます。
低価格帯:寿司弁当
予算:500円〜1500円
スーパーマーケットやコンビニエンスストアで販売されている持ち帰り用の寿司です。機械で製造されているため、低価格で寿司を味わうことができます。
【独自進化した寿司の味旅物語】
寿司はもともと握り寿司が主流でしたが、海苔の使用により、巻き寿司や軍艦巻きなどが生まれ、握り寿司では使いづらかったネタも寿司として利用されるようになりました。さらに、魚介以外のネタを使用した寿司や、見た目を意識した手毬寿司など、日々新しい寿司が開発されています。
握り寿司
酢を加えた白米を小さく握り、その上に魚の切り身をのせて食べる、寿司の代表的な形式です。
軍艦巻き
酢飯を海苔で巻き、その上に雲丹や魚卵などをのせて食べる寿司です。その見た目が軍艦に似ていることからこの名前がつきました。
巻き寿司
海苔の上に酢飯をのせ、その上に魚の切り身などを置いて棒状に巻き上げるスタイルの寿司です。
肉寿司
牛肉などを使用した寿司を肉寿司と言います。生肉、焼き肉、ハンバーグなど、様々な種類があります。主に回転寿司で提供されています。
手毬寿司
通常の寿司の米の量の半分程度で作られる寿司を手毬寿司と言います。スーパーマーケットなどで寿司弁当として提供されています。